だいぶ気温も下がってきたところで、トレンチコートが活躍する季節になってきた。
トレンチコートはビジネスでも、カジュアルな服装にも似合うアイテムとして、若い人だけではなく、むしろオヤジ達の冬の制服みたいなものだ。
ちょうど11月の中下旬当たりが、トレンチコートを着るに際して最適な気温なんだろうと考える。
ただ、トレンチコートといえどもペラペラなものもあるだろうし、ライナーがついた温かい仕様のものもある。
今回は、一年の中でも比較的着られる時期の長いトレンチコートについて、着用に最適な気温を紹介する。
トレンチコートの歴史・有名ブランド、最後にコーデについての考察も、あわせてお伝えすることにした。
東京の平均気温2015
温暖化が進んでいるのか、9月になっても平均気温は22度以上あるので、「秋」という季節が無いに等しい。もう四季とも呼べない気候になってきた。
とてもじゃないがアウターを着るには気温が高すぎるため、ここ数年間の数字をみると9月・10月の秋口はまだ着るには早すぎる。
これが11月を迎えると最高気温も20℃を下回り、平均気温は15℃以下まで下がってくる。
トレンチコートを着るベストシーズンの到来は、やはり11月ということになる。
12月以降になると冷え込みはぐっと増し、ライナーが取り付けられる本格仕様のものでない限り、冬の寒さを乗り切ることは出来ない。
やはり、12月・1月を迎えるにはそれなりに重厚感のあるアウターを手に入れる必要があるのだ。
トレンチコートの3大ブランド
トレンチコートを語る上で外せない3大ブランドを紹介しておこう。
ここを触れずしてトレンチコートを語ることは許されない。ファッションとは歴史と革新の繰り返しから昇華されていくもの。
伝統ある3ブランドについて見ていこう。
Burberry(バーバリー)
トレンチコートと言えば、バーバリーが発祥元。言わずと知れたイギリスを代表するメガブランドである。日本では、LUIS VUITON(ルイ・ヴィトン)の次に人気がある。
バーバリーは1856年に初代トーマス・バーバリーによって設立された、イギリスを代表する総合アパレルブランドである。
耐久性・防水性に優れたギャバジンと呼ばれる新素材を発明、特許も取得している。
第1次世界大戦時にイギリス軍部の要請により塹壕(ザンゴウ)での戦いに合わせたトレンチコートを開発・採用された。
※塹壕・・・戦争で歩兵が砲撃や銃撃から身を守るために使う穴または溝
このトレンチコートは第1次世界大戦中50万着も使用されることになり、終戦後は一般市民の間にも流通が広まった。
バーバリーのギャバジン生地をは、多くの冒険家や探検家、パイロットなどにも愛されロイヤルワラント(英国王室御用達)に3度選ばれている。
『バーバリー・チェック』が世に知れ渡ったのは1924年、コートの裏地に使用していたチェック柄デザインを大きく謳うことで一大ムーブメントを引き起こした。
バーバリーのトレンチコートの価格は、一体いくら位が相場なのか?
ブリット/151,000~195,000円
ヘリテージライン/210,000~250,000円
ロンドン/215,000~325,000円
プローサム/281,000~800,000円
最高ラインのプローサムになると、もはや洋服の価格とは呼べないほどに高価格帯になる。
Aquascutum(アクアスキュータム)
1851年にジョン・エマリーによって創設されたアクアスキュータムは、イギリスロンドンを拠点にする老舗の高級服飾店。
世界で初めて防水ウールの開発に成功したことで有名だ。バーバーリーと同様にロイヤルワラントに選ばれている。
やはりバーバリーと同様に戦時に使用された防水性能に優れたトレンチコートが有名になることのきっかけとなっている。
ラテン語で「水」を表す“aqua”と「盾」を表す“scutum”を組み合わせた造語がブランド名になっているように、トレンチコートを開発するために産まれてきたようなものだ。
基本的にはメンズが中心のラインアップとなっている。
2012年に経営破綻、会社更生を決断し現在は香港企業がブランド経営をしている様子。
100年以上の歴史を持つ老舗といえども、世界の波に飲み込まれてしまうのは仕方のないことなのだ。
アクアスキュータムのトレンチコート価格帯
100,000~250,000円
MACKINTOSH(マッキントッシュ)
マッキントッシュはイギリスでレインコートと言えば、ここというくらいに代名詞として知られているブランドだ。
レインコートだけでなく、キルティングジャケット等も人気があるのでお馴染みかもしれない。
イギリスでは『マッキントッシュ』という言葉自体にレインコートの総称として呼ばれている。
このマッキントッシュの起源は、防水性に優れたマッキントッシュクロスという生地の発明において呼ばれるようになった言葉である。
その革新性・機能性の高さから、第1次・2次大戦時の英国陸軍のコートに採用されている。
現在でも進化を続けるマッキントッシュの製品は、時代性を見事に捉えている面で見ても素晴らしい商品が多いと言えるだろう。
マッキントッシュのトレンチコート価格
150,000円くらい
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トレンチコートのコーデ
一年間の中でも活躍の場が多いトレンチコートについては、コーディネートの幅も様々ある。
春・秋のトレンチコート
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秋口や春頃に着用する際に参考になるコーデになるだろう。
メンズは軽快なイメージとともに、さらりと白シャツに黒いパンツでシンプルにまとめている。足元はローファーを合わせ、春らしい装いだ。
フロントを開け放つことで躍動感が出て重たさを感じさせない。
レディースのキャメルカラーに合うオレンジのシャツ、かつミニスカートというコーディネートはスタイルの良さと、着る当人の雰囲気が合わないと厳しいかもしれない。
フロントボタンは全て閉じて、着丈もショートなもの。
足元にはペタンコ靴を合わせることで全体は決まり過ぎないベストなバランスだ。
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メンズは茶系のトレンチを選択、まだ冬が到来する前にはインナーは緩めのTシャツでも問題ない。
足元にはシンプルに白いスニーカーを合わせ、ロールアップでカジュアルな雰囲気がうまく全体のバランスを取ってる。
レディースは、バーバリーのトレンチにダメージジーンズを合わせたカジュアルな装い。
インナーはメンズと同様Tシャツ1枚だ。
10月の最高気温は20℃を超える日も多く、トレンチコートをまともに着てしまうと重たさしか感じない。
春先・秋頃に着るものとしては、こんなコーデが最適だと考える。
冬場のトレンチコート
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冬場のコーデでポイントになるのは、『防寒性』をどこまで確保できるかということが一番だと思う。
どんなにオシャレな恰好をしても、凍てつく寒さを和らげることが出来なければ、トレンチコートを着用するという選択自体しないだろう。
シャツにニットの重ね着に、恰好付けではなく耳元の防寒性をアップさせるためにも、襟を立てるということが有効だ。
フロントを閉じないで着たい場合、マフラーは必須になると思うし、他にも防寒性を確保出来ないと女性は特に厳しいかもしれない。
内側にライナーが付いてるものもあるので、冬場は中綿入りのキルティングものか、ファーなどで防寒性を確保できるものが多い。
取り外しが出来るため、季節に合わせて調整出来るのがうれしい。
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かなりアーミーチックな装いになるカーキのトレンチコートは、フロントを閉めてベルトまですることでかなり重厚感のある装いになる。
ネイビーやブラックのスーツに合わせても良い。
ブラックのトレンチは、インナーにカーキを持って来ることで今年らしい着こなしが出来るだろう。
スニーカー
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トレンチコートは、スタイリッシュに見えるアイテムだけに、スーツやキレイ目な装いに合わせてしまう傾向が強いと思う。
でもスニーカーなどのカジュアルなスタイルで着こなす方が、個人的にはしっくりくる。
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ネイビーのトレンチコートにグレースラックスを9分丈で、足元には今年ブームが再燃しているアディダスのスーパースターを合わせた今っぽい着こなし。
着丈がショート丈なのもあって、よりカジュアル感が出ているポイントになってるのかもしれない。
スニーカーほど、スポーティな感じが出せるアイテムは少ないし、足元の印象が変わるだけで着こなしは全く違ったものに見える。
VANSのヒョウ柄スリッポンを合わせた女性、トレンチのベージュカラーと足元のスリッポンのカラーが統一感が出ていて良い感じだ。
インナー・パンツともにシンプルなため、全体的にバランスが取れた着こなしになっている。
まとめ
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トレンチコートを着る時にベストな気温は15℃前後
四季で考えてみると3月・4月・10月・11月が着こなすのにベスト、12月も気温がある程度高い時期であればちょうど良い。
これから年末にかけては、防寒性の確保が最大のポイントに挙げられると思うが、ライナー付きのものか、重ね着によっても十分着れるもの。
ビジネスにもカジュアルにも対応出来るトレンチコートは、コーディネートの幅を広げる上では必須のアウターであることは間違いなので、最低一着は用意しておこう。
スタイルとしては、ショート丈/ミドル丈/ロング丈、シングル/ダブルとバリエーションも様々にある。
カラーもベーシックなベージュ、定番となったネイビーやブラックなど、何色にすれば良いのか迷ってしまうほどだ。
もうすぐ12月になるが、コーデによってはまだまだ着用出来る。残りのトレンチ生活を満喫して、新しい年を迎えよう。
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